講演会

講演会Japan Shikoku Branch

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講演会Japan Shikoku Branch

年 度

R5年度講演会実施報告

題目 「情報革命」で何が起こるの?
講師 関 啓一郎(NTTファシリティーズ(監査役))
日時 2023年10月25日(水) 8:30−10:00
場所 愛媛大学 E591教室
聴講者 48名(学生47名,正会員1名)
講演概要 人類の歴史における革命的変化の歴史における情報革命の位置づけから入り,情報通信分野における日本の位置づけ,メディアとしてのインターネット,デジタル経済における社会変革,IoT、Big Data、クラウド、Aiの関係,人工知能(AI)とは何か?,インダストリー4.0/IoTによる産業構造変化,メタバースへの期待,プラットフォーム事業者の台頭,と非常に多岐にわたる話題を,国内外の事例を示しながら解説された.大変濃厚な講演であった.

題目 情報化はなぜ失敗するのか?
講師 西岡 潔 氏(東京大学 先端科学研究センター)
日時 2023年12月5日(火) 8:30−10:00
場所 愛媛大学 E591教室
聴講者 42名(学生41名,正会員1名)
講演概要 日本経済において,会社とはどのような存在であるのかを導入として始まり,会社とはどのような存在であるかを,顧客や生み出す価値の重要性や関係を分かりやすく解説された.
 その後,情報化の課題として,企業等で行われた情報化の成功事例,また,失敗事例の具体例を例示されながら,なぜ,成功したのか,あるいは,失敗したのかについて,ご自身が体験された事例を含めた多くの事例の紹介,さらに,その理由を論理的な検証とともに解説された.また,その理由における,技術者由来の事項,発注側と受注側それぞれの姿勢や関係についても説明され,技術者の姿勢,意識としてどのようなものが大事であるかを解説された.
 具体的事例をふんだんに示しながらの解説は,学生にとってもわかりやすい講演であった.聴講した学生が,今後の学びにおいて,意識すべき事柄や,知識ではない能力に意識を向けるきっかけになっていると確信させるものであった.

R4年度講演会実施報告

題目
情報化はなぜ失敗するのか?
講師
西岡 潔 氏(東京大学 先端科学研究センター)
日時
2022年12月15日(木)14時30分~16時00分
場所
愛媛大学 EL33教室
聴講者
73名
講演概要
情報化は現代において避けて通ることが出来ない必須要件である。また、世の中はデジタルトランスフォーメーション(DX)の時代と喧伝されている。しかしながら、手段としての情報化を、真に役立つ成果として活かすことは決して容易なことではない。本講演は、情報技術者を目指す皆さんが、如何にして情報化を通じて、企業の発展、世の中の進歩に役立つことができるか、具体的な事例も踏まえて 実践的な観点から議論する。

R3年度講演会実施報告

題目 情報化はなぜ失敗するのか?
講師 西岡 潔 氏(東京大学 先端科学研究センター)
日時 2022年1月11日 16時20分~17時50分
場所 愛媛大学 EL33教室
聴講者 57名(学生 56名,正会員1名)
講演概要 情報化は現代において避けて通ることが出来ない必須要件である。また、世の中はデジタルトランスフォーメーション(DX)の時代と喧伝されている。しかしながら、手段としての情報化を、真に役立つ成果として活かすことは決して容易なことではない。
本講演は、情報技術者を目指す皆さんが、如何にして情報化を通じて、企業の発展、世の中の進歩に役立つことができるか、具体的な事例も踏まえて 実践的な観点から議論する。

R2年度講演会実施報告

題目 情報化はなぜ失敗するのか?
講師 西岡 潔 氏(東京大学 先端科学研究センター)
日時 2021年1月25日(月) 10:20−11:50
場所 オンライン開催
聴講者 75名(学生 73名,正会員2名)
講演概要 企業等で行われた情報化の成功事例,また,失敗事例の具体例を例示されながら,なぜ,成功したのか,あるいは,失敗したのかについて,その理由を論理的な検証とともに解説された.また,その理由における,技術者由来の事項,発注側と受注側それぞれの姿勢や関係についても説明され,技術者の姿勢,意識としてどのようなものが大事であるかを解説された.
 具体的事例をふんだんに示しながらの解説であったことから,学生にとってもわかりやすい講演であった.聴講した学生が,今後の学びにおいて,意識すべき事柄や,知識ではない能力に意識を向けるきっかけになっていると確信させるものであった.

講演題目 情報とモノづくり
講師 菊池 純男 氏(産業技術大学院大学 客員教授・元 日立製作所)
日時 2021年2月1日(月) 10:20−11:50
場所 オンライン開催
聴講者 73名(学生71名,正会員2名)
講演概要 ITがコモディティ化する中で,どのように作るかでは無く,何を作るのか,ユーザに提供する価値からの発想によって,革新的な商品やサービスを生み出すための技術者が備えるべき姿勢や考え方,デザイン思考や,ペルソナについてなど,わかりやすく解説いただけた講演であった.
 日立製作所の上級研究者としての活躍,また,事業部門での製品開発プロジェクトでの責任ある立場でのご経験,さらには,人材育成に関しての会社の枠を超えてのご活躍といった多彩な経験に基づく話題は,学生の興味をかき立てるものであった.

R1年度講演会実施報告

講演題目 イノベーションに向けてのUXデザイン
講師 中道 上 氏(福山大学 工学部 情報工学科)
日時 2019年5月15日(水)14:40~17:50 (途中10分の休憩を挟む)
会場 高知工科大学 香美キャンパス 教育研究棟 A-110
聴講者数 33人
講演概要

問題を発見して,それを解決するサービスを作り出す方法について,演習を交えた講演が行われました.最初にサービスデザインに関する座学の後,演習行いました.演習では参加者が6つのグループに分かれて高知工科大学のオープンキャンパスで使うサービスを題材に,サービスを考えました.演習を通して,仮想のサービス利用者であるペルソナを作り,そのペルソナのためのサービスを考え,サービスを利用して目的を達成するストーリーボードを作るという手順を体験しました.

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講演題目 情報とモノづくり
講師 菊池 純男 氏(文科省enPiT2事業 外部評価委員・産業技術大学院大学 客員教授・元 日立製作所)
日時 2019年7月18日(木) 16:20-17:50
場所 愛媛大学E411教室(松山市文京町3)
聴講者 138名(学生135名,教員3名)
講演概要

ITがコモディティ化する中で,どのように作るかでは無く,何を作るのか,ユーザに提供する価値からの発想によって,革新的な商品やサービスを生み出すための技術者が備えるべき姿勢や考え方について,わかりやすく解説いただけた講演であった.
日立製作所の上級研究者としての活躍,また,事業部門での製品開発プロジェクトでの責任ある立場でのご経験,さらには,人材育成に関しての会社の枠を超えてのご活躍といった多彩な経験に基づく話題は,学生の興味をかき立てるものであった.

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講演会日時 2019年12月16日 13時00分 ~ 14時30分
講演会会場 高知工科大学 香美キャンパス K102 教室
講演題目 なぜコンピュータを学ばなければならないのか 21世紀の君主論 増補改訂
講演者氏名 中山心太(株式会社NextInt 代表)
参加者数 77名
講演概要

情報化社会の中での計算機科学を学ぶことの重要性が講義された.計算機科学は他の学問や産業と結び付いて使われる.講義では,産業でどのようにITが活用されているのかの最先端の事例が紹介され,今後の展望が講義された.講演の最中,講師のアバターがスクリーン上で講師の動作をトレースしているユニークな講義だった.

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題目 情報化はなぜ失敗するのか?
講師 西岡 潔 氏(東京大学 先端科学研究センター)
日時 2020年1月7日(火) 16:20-17:50
場所 愛媛大学E421教室(松山市文京町3)
聴講者 130名(学生128名,教員2名)
講演概要

新日鐵での技術者,役員としての経験の中で,体験された情報化の成功事例,また,失敗事例の具体例を例示されながら,なぜ,成功したのか,あるいは,失敗したのかについて,その理由を論理的な検証とともに解説された.また,その理由における,技術者由来の事項についても解説され,技術者の姿勢,意識としてどのようなものが大事であるかを解説された.
具体的事例をふんだんに示しながらの解説であったことから,学生にとってもわかりやすい講演であった.聴講した学生が,今後の学びにおいて,意識すべき事柄や,知識ではない能力に意識をむける切っ掛けになっていると確信させるものであった.


H30年度講演会実施報告

題目 UXデザインによるストーリーがもたらすイノベーション
講師 中道 上 (福山大学工学部/アンカーデザイン株式会社)
日時 2018 年5月30 日(水) 14:40−10:00
場所 高知工科大学香美キャンパスA110
聴講者 25名
開催状況 問題を発見して,それを解決するサービスを作り出す方法について,演習を交えた講演が行われた.
仮想のサービス利用者であるペルソナを作り,ペルソナがそのサービスを利用して目的を達成するストーリーボードを作る手順を,講義とグループ演習で学習した.高知工科大学のオープンキャンパスで使うサービスを題材にサービスを考え,最後に各グループの考えたアイデアの発表会を行った.

題目 テスト駆動開発:質を作り込む
講師 和田 卓人 氏(タワーズ・ クエスト株式会社取締役社長)
日時 2018年7月21日(土) 10:30-12:00
場所 情報通信交流館 e-とぴあ・かがわ , クラスルームA
参加者数 約40名
講演概要

講演では、テスト駆動開発についてご説明いただいたあと、より理解を深めるためにライブコーディングによるテスト駆動開発の実演が行われました。前半のテスト駆動開発の座学では、テスト駆動開発の価値:「動作するきれいなコード」やテスト駆動開発のサイクル、黄金の三原則 (Red, Green, Refactoring) についてふれ、テスト駆動開発におけるテストの考え方は、テストは目的を達成するするための手段であり、その目的とは、大いなる自信を伴うコードであることをご説明いただきました。後半のライブコーディングでは、テスト駆動開発のサイクルの実演が行われ、前半の座学の内容を実演を通じてより深く学ぶことができました。保守性をあげるテストの観点や、品質保証の観点を交えたテストの解説もあり、情報分野で活躍されている参加者にとって、関心の高い、有意義な内容でした。なお、今回は、TDDBC(テスト駆動開発のブートキャンプ)という技術イベントとも協力しながら、実施を進めました。

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題目 Rubyのつくりかた
講師 笹田耕一 (クックパッド)
日時 2018年10月18日13:00〜14:30
場所 高知工科大学 香美キャンパス 教育研究棟 A107
参加者数 110人
講演概要

オープンソースソフトウェアとして開発が進められているプログラミング言語Rubyとその処理系についての講演でした.Rubyは日本発のプログラミング言語としては異例の世界規模で人気のプログラミング言語であることや,組込みシステムなど幅広い応用があり,そのための言語処理系の実装がいくつか開発されていることが紹介された.さらに,オープンソースソフトウェアとしてプログラミング言語の仕様を開発する,際の意思決定の方法が紹介された.

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題目 情報化(システム開発)の光と影
~情報化は何故失敗するのか? これからのIoT時代に貢献するために何が重要か?~
講師 西岡 潔 氏(東京大学 先端科学研究センター)
日時 2019年1月25日(金) 16:20-17:50
場所 愛媛大学E421教室(松山市文京町3)
参加者数 130名(学生128名,教員2名)
講演概要 企業活動の中で,全体最適の重要性,また,全体最適を,個々の社員・技術者として意識することの重要性を,分かりやすく解説され,「技術こそ経営者たるべし」,「市場,顧客があってこその技術開発」,「すべてはあなたの手の中にある」といった言葉に集約しながらお話し頂いた.
また,システム開発の成功率について,日経BPの調査データや,事例の紹介,そして,失敗する理由を具体的に話された.そして,成功のためには,現場に入ることの重要性を学生に訴えていられた.
新日鐵での技術者,役員として経験を踏まえた,リアリティのある,そして,記憶に残るお話しであった.

題目 プラットフォームを巡る最近の動向
講師 須田 和博 氏(元NTTデータ常務,元総務省総合通信基盤局長)
日時 2019年2月19日(火) 16:20-17:50
場所 愛媛大学工学部5号館5-7号室(松山市文京町3)
聴講者 9名(学生5名,教員その他4名)
講演概要

プラットフォーマとしてのGAFAに対する考察についての講話であった.プライバシーや経済活動といった面から,各国・地域によるプラットフォーマに対する姿勢の違い,また,有線電話のような古典的なプラットフォームと,デジタル・データに基礎をおくプラットフォームとの違いについて,詳しく解説が行われた.また,我が国のデータを巡る政策戦略について,他国との比較も示しながら,解説が行われた.ICTの発展にともなう社会の変化,また,その影響を俯瞰しながらも,詳細な分析に基づく講演であった.講演の最後に行われた質疑では,学生から多くの質問が出され,30分近くに及んだ.学生の興味関心を高める講演内容であった.

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H29年度講演会実施報告

題目 EdTech による次代の教育 − 人工知能、自然言語処理の教育応用と EdTech のこれから
講師 美馬秀樹(東京大学大学総合教育研究センター)
日時 2018 年2 月9 日(金) 10:25−11:55
場所 徳島大学理工学部講義棟K206 教室
聴講者 約100名
講演者 美馬秀樹(東京大学大学総合教育研究センター)
開催状況

講演者からIT 特に人工知能を活用した教育工学の応用技術についての紹介があり、徳島大学工学部知能情報工学科3年生及び徳島大学大学院先端技術科学教育部システム創生工学専攻知能情報システム工学コース1年生を中心に約100 名の聴講者が参加し、盛況のうちに講演会を無事に終了した。

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題目 ICT分野の技術者像とキャリア形成
講師 上野 新滋 氏
(FUJITSUユニバーシティ 産学官連携グループ長 エグゼクティブ・プランナー)
日時 2018年1月23日(火) 16:20-17:50
場所 愛媛大学E421教室(松山市文京町3)
聴講者 108名(学生102名,教員6名)

ICTが社会にどのように使われているかという事例の紹介や,世界的規模で進んでいる,AI,フィンテック,シェアリングエコノミーなどの動きが紹介された.その後,活躍できる人材についての話題に移り,必要とされる能力や行動特性についての解説が行われた.
講演終了後には,複数の学生から質問がだされ,学生にとって,関心の高い,また,有意義な内容であった.

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題目 情報化はなぜ失敗するのか?
講師 西岡 潔 氏(東京大学 先端科学研究センター)
日時 2018年1月16日(火) 16:20-17:50
場所 愛媛大学EL26教室(松山市文京町3)
聴講者 100名(学生99名,教員1名)

新日本製鐵での情報化,効率化で陣頭指揮をとった経験に基づく,成功,失敗の事例とその理由の解説が行われた.
また,成功をもたらす技術者(職業人)としての意識,行動についての助言が行われ,学生達の多くが,食い入るような目をして,メモをとる姿が見られ,学生向けの講演会として,大成功であったと言える.
予定時間を若干超過した講演であったが,講演終了後には,複数の学生が講師に質問に来るなど,学生にとって,関心の高い,また,有意義な内容であった.

題目 5G – Moving Towards Deployment
講師 庄納 崇 氏(インテル株式会社 通信デバイス事業本部 シニアディレクター)
日時 2017年11月17日 (金) 14:40-16:10
場所 高知工科大学 香美キャンパス C棟1階 C102教室(香美市土佐山田町宮ノ口185)
聴講者 82名(学生80名,教員2名)

講演では情報学を学ぶ学生を主な対象として, 4Gから5Gへの移行に関する動向について紹介されました. 5Gでは4Gの20倍の通信路容量が求められており, それを実現するためには通信技術の改善だけでなく, 半導体技術の発展による消費電力の改善が必要になります.
そのため本講演ではまず, 半導体産業におけるIntel社を始めとした様々な企業の市場競争についての紹介が行われました. そして, 半導体技術が5Gでどのように用いられているかについて, IoT (Internet of things) というキーワードを踏まえて紹介されました.
本講演では, これからの未知のユーザ需要に備えて5Gが開発されていることが学生に伝えられました. 時間いっぱいの講演であったため, 質疑の時間をあまり多く取ることができませんでしたが,学生からの質問もあり,また,講演終了後に自主的に講師のところに質問に行く学生の姿も見られ,有意義な内容となりました.

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題目 明日をつくるIT技術者 — ITが拓くその先の世界へ —
講師 下房地 毅 氏(独立行政法人 情報処理推進機構(IPA) IT人材育成本部 イノベーション人材センター 調査役)
日時 2017年6月2日(金) 8:30-10:00
場所 愛媛大学教育学部 大講義室(松山市文京町3)
聴講 107名

講演は,主に,これから情報分野のエンジニアを目指す学部生を対象として開催されました.専門教育を学び出して時間の浅い学生の多くは,情報分野にどのような職種があるのか,また,活躍場である産業界で,どのような業種や企業で,情報分野の専門家が活躍しているのかといった情報を持ち合わせていません.そのため,自身の将来像をイメージすることも困難です.
講演では,まず,IPAが,大学生向けに作成したパンフレット資料を基に,IT分野の様々な業種や職種についての紹介が行われました.
次いで,「IT人材白書2017」に示されている調査結果から,デジタルトランスフォーメーション時代のIT人材に求められている能力や,企業の人材獲得方法と育成に関する話題,また,日本と米国とのIT産業の現状比較の結果が照会されました.現職,技術者に対するアンケート結果の紹介も,学生に取っては,自身の将来を考える参考になったと思われます.
最後に,IPAが取り組んでいる未踏事業やセキュリティ・キャンプ,情報処理技術者試験など,学生が参加できる事業,制度の紹介が行われました.
講演後の質疑の時間では,学生から,大学院進学と学部で就職することの違いなど,複数の質問が行われました.また,講演終了後にも,複数の学生が講師に質問に来るなど,学生にとって,関心の高い,また,有意義な内容でした.

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H28年度講演会実施報告

題目 実践Immutable Infrastructure入門 ~新米エンジニアがクラウドの裏側を紹介~
講師 堀内 晨彦 氏(エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 クラウドサービス部)
日時 2017年02月17日 15:00-18:00
場所 香川大学 工学部 1909教室(香川県高松市林町2217)
聴講 44名

堀内氏は,エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズで,ベアメタルクラウドの開発に携わられているエンジニアです.学生時代には,クラウドを使った分散Webシステムの研究の傍ら,勉強会やコミュニティ活動に参加され,HubotやSensuの勉強会を主催されたこともあります.会場は,学生を中心に40名以上が集まり,興味深い講演に,時間もあっという間に過ぎてしまいました.
近年,Immutable Infrastructureという考え方が浸透してきています.これは,サーバが必要になったら作り,必要なくなったら捨てるというような繰り返しで構成を変えていく仕組みです.そこで生かされているコンテナ技術について,今回の講演ではハンズオンを交えて,触れさせて頂きました.
始めに,堀内氏の学生時代の経験から,大学生のうちにどのような目標を立てるべきかについて説明していただきました.特に,大学の外に出て勉強会に参加してみるなどの活動を行ったり,目標とするエンジニアを見つけることが重要であるとのお話でした.
次に,Immutable Infrastructureと,変更管理について詳しく説明していただきました.サーバの変更管理は,新しいソフトウェアを導入する度に,手順書を書き作業履歴を残すなど,大変手間が掛かるものです.そこで登場したのが,Immutable Infrastructureであるとの説明でした.これは,状態管理が面倒なら管理しなければ良い,という考え方に基づいたものだそうです.作り直しを行うことで,状態や差分の管理を行う必要がなく,出来上がったインフラだけ管理すれば良いという利点があるとのことでした.
つづいて,Immutable Infrastructureのデメリットとコンテナ技術について説明していただきました.まず,デメリットとしては,サーバを使い捨てるために,データを持っておくことが出来なかったり,出来上がったサーバを管理する方法を別途に考える必要があるとのお話でした.そこで,コンテナ技術を用いて,これらの問題を解決しようということでした.コンテナ技術とは,OSの上に隔離された空間を作って,その中で別のOSを動かす技術です.ここでは,近年話題のDockerについて説明がありました.
Dockerとは,コンテナを動かす実行環境の一つです.コンテナのイメージを簡単に作れたり,配布できたりするなど,手軽に便利にコンテナを扱うことが出来るため普及したとのことです.
最後に,Dockerについてのハンズオンを交えた説明がありました.ここでは特に,Dockerは仮想マシンではないということが強調して説明されました.コンテナには1つの仕事しかさせない,イメージを小さくする,コンテナしか動かさないシンプルな環境で動かすなど,いくつかの注意点が説明されました.更に,実際のツールとして,Docker MachineというDocker専用の仮想マシンを簡単に作れるツールと,Docker Composeという複数のコンテナを一緒に管理できるツールの使い方が紹介されました.
ハンズオンでは,自分の好きなプログラミング言語を動かしてみるなどの演習が行われました.技術力の高さに応じて,それぞれ演習できる内容が用意されており,どの参加者をも飽きさせない演習内容でした.
今回の講演は,専門性の高い内容もありましたが,聴講者の多くが,キャリア形成や技術力醸成のために,熱心に耳を傾けていました.講演後の懇親会でも,聴講者から積極的に質問などがおこわなれ,大いに議論が交わされました.以上,大変,有意義な講演会でありました.

題目 イノベーションとデザイン思考 - 全ての答えはユーザにある –
講師 菊池 純男 氏((株)日立製作所 ICT事業統括本部 経営戦略統括本部)
日時 2017年1月19日 14時30分~16時00分
場所 愛媛大学 共通講義棟C EL44講義室(愛媛県松山市文京町3)
聴講者 59名

まず,イノベーションとは,新しいアイデアから社会的に大きな変化をもたらす変革のことで,新しいテクノロジーだけでなく,新しいビジネスモデルなどもイノベーションに含まれるというお話がありました。その一例として,コンプレッサーの利用者が欲しいのは圧縮した空気であり,コンプレッサーそのものではないことに着目し,コンプレッサーを無償で貸与して,使った分だけ課金するというビジネスが成功した例が紹介されました。

次に,近年は「物」ではなく,「サービス」がビジネスにおいて重要になっているというお話がありました。その一例として,車を一台も所有することなく,配車サービスを提供して成功した企業の例が紹介されました。また,カメラやスケジュール帳など,従来は「物」として持ち歩いていたものが,現在はスマートフォンの中に収まっていること,「物」づくりは,近年増加しているFabスペースで3Dプリンターやレーザーカッターなどを使うことによって,誰でもできるようになってきたことなどが紹介されました。

そして,そのような時代では,ある技術で何ができるかを考えて物を作るのではなく,最新のデジタルテクノロジーを活用して,ユーザ目線でビジネスをゼロベースで再定義することが重要であるというお話がありました。世の中には「きれいに掃除をしたい人のための掃除機」と「できれば掃除をしたくない人のための掃除機」があるように,課題設定の違いで作るものは変わってくるため,社会に存在する課題を正しく把握することが重要であるとのお話がありました。

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題目 マルウェアの手口と対策 ~マルウェアみな駆逐すべし、慈悲はない~
講師 忠鉢 洋輔 氏(情報セキュリティ大学院大学特任研究員,アクティブディフェンス 代表取締役)
日時 2016年12月14日 17:30-19:00
場所 香川大学工学部 1号館1909教室 (香川県高松市林町2217-20)
聴講者 38名

忠鉢先生は,マルウェア解析やOSカーネルレベルでのセキュリティを専門とされている研究者であり,日本でのハッキング競技SECCONの運営に関わり,セキュリティの国際的なカンファレンスであるBlack Hatでも講演されています.会場は学生を中心に30名以上が集まり,忠鉢先生のユーモア溢れる講演に,90分があっという間に過ぎてしまいました.

世界中に出回っているマルウェアは,その作成者であるクラッカー達が日々開発を進めています.一方,セキュリティ研究者は,マルウェアを根絶やしにすべく心血を注いでいます.そのため,マルウェア対策は,いたちごっこと揶揄される面もあります.「マルウェアみな駆逐すべし、慈悲はない」と題された本講演は,マルウェア対策の技術的な面白さやマルウェア対策の研究開発に従事する人間の懊悩というテーマが込められていました.

始めに,セキュリティのエンジニアがこれから生き残っていくには,どのようなスキルが必要であるのかを説明していただきました.きちんと勉強し,成果を出せば,欧米だけでなく,イスラエルからも招聘されるなど,世界中で引っ張りだこだそうです.

その後,マルウェアとは一体何であるのか,誰が何の目的で作成しているのかについて詳しく説明していただきました.特に,作成者の立場によって作成するマルウェアの種類やその目的が大きく違うという点が印象的でした.

次に,マルウェアを検知する仕組みとそれを回避する手法,マルウェアの新種状況について説明していただきました.マルウェアは2016年だけでも1億体の新種が発見され,総流通数は6億体を超えると言われています.

最後に,マルウェアに対する一般的な対策や,近年のマルウェアの動作傾向について説明していただきました.近年のマルウェアは,偽装したexeファイルや悪意あるJavaScriptを実行させたり,脆弱性を突いて攻撃コードを実行させるものが多いようです.

私たちが普段から取ることのできる対策として,アンチウイルスソフトの導入,OSのアップデートの即時適用,認証付きProxyを介したインターネット接続などが挙げられます.今回の講演は,非常に専門性の高く,学生には難しい内容もありました.しかし,聴講者の多くは,普段はなかなか聴くことのできない,マルウェアに関する講演に熱心に耳を傾けていました.講演後の懇親会でも,個人で活発に忠鉢先生に質問したり,歓談していました.以上,非常に有意義な講演会となりました.

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題目 イノベーションに向けてのUXデザイン
講師 中道 上 氏 (福山大学工学部)
日時 2016年 12月 7日(水) 16:20 ~ 17:50
場所 高知工科大学香美キャンパス C102教室
聴講者 約100名

製品開発の超上流工程に位置するUXデザインについて,講師の中道先生のご経験をまじえた楽しくて分かりやすい講演が行われました.会場である高知工科大学の学生を中心として約100名が聴講しました.講義の後半は実際にペルソナを作る演習が行われ,ともすれば抽象的な説明になってしまうソフトウェア工学の上流工程を,具体的に分かりやすく説明してくださいました.

H28年度支部特別講演会

題目 人工知能は世の中をどう変えるか
講師 松原 仁 氏(公立はこだて未来大学 複雑系知能学科 教授)
日時 2016年 6月10日(金) 15:00-16:30
場所 徳島大学理工学部工業会館メモリアルホール(徳島市南常三島町2-1)
聴講者 102名

夏を思わせる日差しが照りつける6月10日,公立はこだて未来大学の松原仁先生をお招きして,H28年度四国支部特別講演会が開催されました.松原先生は情報処理学会理事でもあり,四国支部報告会において学会のビジョンなどをご説明いただいた後に講演会が始まりました.聴講者は学内外の研究者・学生はもちろん,企業の方や地元の高校生も含め,100名を超える盛況ぶりでした.

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松原先生は,今もっともホットな研究分野である人工知能(AI)の最先端を走っておられ,(冬の時代もあった)AIの歴史,コンピュータチェス・将棋・囲碁の急速な発展,コンピュータによる小説(ショートショート)創作,ディープライニング,技術的特異点(シンギュラリティ)など情熱的な語り口で分かりやすく説明してくださいました.
技術的な視点のみならず,AIが社会とどのような接点をもち,われわれ人間とどのように共存していくべきなのか,法律などの視点も含め,現在と未来を深く考えさせられる,あっという間の1.5時間でした.

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今回の講演会でも(昨年6月の特別講演会,11月の講演会に続き)Twitterによるコメント・質問をプロジェクタで表示することを試みました.高校生からの質問もあり,また,講演会終了後にAIに関して松原先生と院生とのディープなディスカッションもあったようで,大変有意義な講演会になりました.
(なお,本講演の様子は翌日の地元新聞に記事として掲載されました.)

【文責:四国支部幹事(徳島大学)光原弘幸】

題目 情報分野の専門家としての職と求められる能力
— IT業務の魅力と未来へのQ&A —
講師 下房地 毅 氏(独立行政法人 情報処理推進機構(IPA) IT人材育成本部 イノベーション人材センター 調査役)
日時 2016年 5月20日(金) 14:30-16:00
場所 愛媛大学工学部 EL45教室(松山市文京町3)
聴講者 72名

講演は,主に,これから情報分野のエンジニアを目指す学部生を対象として開催されました.専門教育を学び出して時間の浅い学生の多くは,情報分野にどのような職種があるのか,また,活躍場である産業界で,どのような業種や企業で,情報分野の専門家が活躍しているのかといった情報を持ち合わせていません.そのため,自身の将来像をイメージすることも困難です.
今回の講演では,情報分野の専門家として,社会で活躍している若手の複数の事例を具体的に示すところから始まった.また,3Kや24Kなどと呼ばれることもある情報分野の職の環境が,実際にはそうではないことなども紹介されました.
その後,産業界が,情報系技術者,専門家に求める能力やコンピテンシーについて,客観的な調査に基づいた紹介が行われました.
最後に,IPAが行っている異能人材発掘の取り組みについても,紹介され,果敢に挑戦することの大切についても,お話し頂きました.
講演後の質疑の時間では,学生から,大学院進学と学部で就職することの違いなど,複数の質問が行われました.また,講演終了後にも,複数の学生が講師に質問に来るなど,学生にとって,関心の高い,また,有意義な内容でした.

H27年度 講演会実施報告

題目 21世紀を担う創造的IT人材の育成 — デジタルビジネス時代に求められる人材 —
講師 菊池 純男 氏(特定非営利活動法人 CeFIL 事務局長・理事,日立製作所)
日時 2016年2月1日(月) 16:20-17:50
場所 愛媛大学工学部 4号館E421(松山市文京町3)
聴講者 90名(学部生79名,学外者(民間企業)3名,他(大学院生,教員))

冒頭に,大学におけるカリキュラムの多くが,IT企業が求める,モデリング手法や設計手法,プロジェクトマネジメントといった内容を取り上げておらず,人材に対するニーズとマッチしていないとの指摘がされた.翻って,諸外国の大学のカリキュラムは,IT企業のニーズに合った教育を行っており.某外資系企業では,日本の大卒,大学院卒では,米国等に比べ新入社員教育に係る時間が,3年余分に必要であるといったことが紹介された.
その後,実践力は即戦力とは,まったく異なる能力であり,仕事をしていく基礎能力としての実践力が求められている.知識を知っている,覚えているだけではなく,使いこなせることが重要で,課題・問題の攻め方である「考えるプロセス」や「学ぶための方法」を身につけていることが,実践力に繋がることが紹介された.
また,教学(教えてもらう)で得られた知識を実践(PBLや中長期インターンシップといった実学)により定着させ,さらに新しい学び(自学)に繋がる循環という教育が,実践力を備えた教育に有効であるとされ,その根拠として,そのような教育を受けた社員とそうでない社員の4年目,5年目評価(上司評価)の結果比較が紹介された.
その後,現在社会で起こっている,デジタルビジネス,あるいは,それがもたらしている変革について,複数の事例の紹介が行われた.
このような社会のなかで,イノベーティブ人材を育成するための,あるいは,イノベーティブ人材となるための育成方法の紹介が行われた.
最後に,シーズ起点の「技術指向」から,現に存在する課題が起点となる「顧客指向」へとマインドセットを変えることが大切であると示されて,講演を終えた.

題目 イノベーションとデザイン指向
講師 菊池 純男 氏(特定非営利活動法人 CeFIL 事務局長・理事,日立製作所)
日時 2016年2月2日(火) 8:30-10:00
場所 愛媛大学工学部 講義棟EL35(松山市文京町3)
聴講者 75名(学部生64名,学外者(民間企業)3名,他(大学院生,教員))

イノベーションを,「新しいアイデアから社会的意義のある新たな価値を創造し,社会に大きな変化をもたらす変革」であると定義し,変革(Innovation)が,模倣(Imitation)から始まり,改良(Improvement)を経たものであり,突然降って湧いたものでは無いという話題から,講演が始まった.
その後,日本発の身近なイノベーション事例が紹介され,具体事例からイノベーションへの理解を深めることができた.
また,「もの」を売るのでは無く,体験を価値として売っている(著名な)事例が紹介され,「物の所有」を中心とする価値観とは異なる価値観が紹介された.これに続き,「物の所有」ではない価値観を提供している様々なサービス事例が紹介され,それぞれが,どのような価値を顧客に提供しているのか,また,それらが,既存の価値観の上に成立していたビジネスを,如何に覆してきたのかが紹介された.
その後,イノベーションを起こすための取り組み姿勢について,また,「ニーズ」と「ウォンツ」の違い,UXやデザイン性がビジネスの差別化要因であることや,デザイン思考の重要性などが紹介された.

題目 ゲームデザインの世界
講師 渡辺 修司 氏(立命館大学映像学部)
日時 2015年 11月20日(金) 13:00-15:00
場所 徳島大学工学部共通講義棟K206(徳島市南常三島町2-1)
共催 情報処理学会四国支部,IEEE Shikoku Section
聴講者 114名
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穏やかな晴天となった11月20日,立命館大学映像学部の渡辺修司先生をお招きして,H27年度四国支部講演会が開催されました.
渡辺先生は大手ゲームメーカーでの開発経験をおもちで,ゲームデザイン研究に精力的に取り組んでおられます.ゲーム開発現場のリアルな話が聴けるとあって,授業でゲーム開発に取り組んでいる学生を中心に114名の聴講者で会場が埋まりました.
ゲームデザインとは何か?どうあるべきか?という問いかけから,渡辺先生のご経験に加え,認知科学などのさまざまな観点・知見を交え,“プレイヤを楽しませる”というゲームの本質を明らかにしていくという講演内容に,2時間という講演時間があっという間に過ぎていきました.個人的には特に,ゲームの難易度の制御手法について,その奥の深さを痛感しました(内発的難易度の概念は,ゲームのみならず日常生活でも活かせると思った次第です).

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今回の講演会でも(6月の招待講演に続き)Twitterによるコメント・質問をプロジェクタで表示することを試みました.「ゲームメーカーに就職するにはどうすればよいですか?」という質問に対する,「ゲーム以外の事にも力を注ぐ」という渡辺先生の回答に共感しました.
講演終了後,複数の学生が渡辺先生に積極的に質問していたことからも分かるように,大変有意義な講演会になりました.

【文責:四国支部幹事(徳島大学)光原弘幸】

題目 アジャイル開発の勧め
講演者 角 征典 氏(ワイクル 取締役、東京工業大学 大学院理工学研究科 特任講師)
日時 2015年11月06(金) 14:40-16:10
場所 香川大学工学部本館4301教室 (香川県高松市林町2217-20)
共催 情報処理学会四国支部
聴講者 70名
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11月6日,ワイクル株式会社の取締役で,東京工業大学の特任講師でもいらっしゃる角征典先生をお招きして,H27年度四国支部招待講演が開催されました.角先生は,日本のアジャイル開発やリーン開発の第一人者であり,企業でのコンサルティングや大学での講演をされています.名著「リーダブルコード」などの翻訳も手がけていらっしゃいます.会場は学生を中心に50名以上の聴講者で埋まり、他県からも聴講者が来ました.そして,角先生の熱気に満ちたご講演に90分の講演時間があっという間に過ぎていきました.
「アジャイル開発の勧め」と題された本講演では,従来のソフトウェア開発プロセスについての問題提起から始まり,現在のソフトウェア開発で必要な能力や,チームで開発を行う際の注意点などを非常に分かりやすく説明していただきました.複雑な問題に立ち向かうチームは「リーダーはいらない.メンバー同士,お互いに学び合いながら開発を進めるチームであるべき」という言葉には,聴講者の多くが感心していたように思います.

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講演中は,プロダクトを作ることについて複数回の演習も実施されました.「美味しいうどんを作る手順」を題材としたフィードバックの重要性の説明や,「良いソフトウェアを作る手法」として,ユーザーストーリーを実際に作ってみるなど,聞くだけではなかなか上手くできない部分を解説していただき、聴講者の「なるほど」という心の声が聞こえたように思います.
講演後には,30名以上の学生が集まって,ペアプログラミングの実習も指導していただきました.今まで経験したことのない実習に,参加者は驚きつつも、熱心に取り組んでいました.参加者からは「面白かった」「実際に開発でも活用してみたい」「今後の研究でも意識をしていきたい」などのコメントが寄せられ,未来を担う若手研究者のみならず,多くの技術者が大いに感化された、非常に有意義な講演会となりました.

【文責:(香川大学)富永浩之】

題目 プロジェクトマネジメントとチームビルディング
講演者 森本 千佳子 氏 (東京工業大学 大学院情報理工学研究科 特任准教授)
日時 2015年11月06(金) 16:20-17:50
場所 香川大学工学部本館4301教室 (香川県高松市林町2217-20)
聴講者 59名
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11月6日,東京工業大学の森本千佳子先生をお招きして,H27年度四国支部招待講演が開催されました.森本千佳子先生はチームビルディングの研究をされ,PBLを通したプロジェクトマネジメントの実践的な教育を実践されております.また,enPiTクラウドの夏合宿も担当されています.会場は学生を中心に60名程度の聴講者で埋まり,角先生と連続講演ということもあり,他県からも企業関係の聴講者が来ていました.森本先生のユーモアのあるご講演に90分の講演時間があっという間に過ぎていきました.
「プロジェクトマネジメントとチームビルディング」と題された本講演では,プロジェクトマネジメントの知識体系であるPMBOKに沿った内容で進められました.まずはプロジェクトの定義から始まり,プロジェクトマネジメントについて,目玉焼きの作り方を例に説明をされました.次に,チームビルディングとコミュニケーションについて,図解や事例を取り入れながら講義していただきました.特に,コミュニケーションのMEHモデル,チームビルディングのタックマンのモデルが印象的でした.

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ソフトウェア開発は,チームによるプロジェクトとして進められることが普通です.炎上してチームがばらばらになったり,途中で挫折してしまうプロジェクトも少なくありません.聴講者の中には,身近にあったケースを思い浮かべて苦笑いする人もあったようです.活発な質疑の後にも,講演者と直接に話をする人もいました.大変に価値のある講演会となりました.

【文責:(香川大学)富永浩之】

H27年度四国支部招待講演

題目 音楽情報処理が切り拓く未来
講演者 後藤 真孝 氏 (産業技術総合研究所 情報技術研究部門 首席研究員)
日時 平成27年6月12日(金) 15:00~16:30
場所 徳島大学工業会館 2階 メモリアルホール(徳島市南常三島町2-1 徳島大学工学部内)
聴講者 84名
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梅雨の最中にも関わらず快晴となった6月12日,産業技術総合研究所の後藤真孝先生をお招きして,H27年度四国支部招待講演が開催されました.
後藤先生は音楽情報処理の最先端を走る研究者であり,情報処理学会理事としてもご活躍されておられます.会場は学生を中心に80名以上の聴講者で埋め尽くされ,会場後方に追加の椅子を用意するほどでした.そして,後藤先生の熱気に満ちたご講演に1.5時間の講演時間があっという間に過ぎていきました.

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歌声合成や音楽理解に関する後藤先生の多彩な研究内容がムービーを交えて紹介され,音楽情報処理がいかにして人間と音楽の関係をより豊かにするのか,音楽情報処理の未来には何が待ち構えているのか,など説得力ある話に皆さん聴き入っていました.ロボットに歌唱させる研究の説明の中にあった,「不気味の谷を乗り越えよう!」というメッセージは心に響きました.また,後藤先生の研究成果が社会に大きなインパクトを与え,社会にダイレクトに還元されていることに感銘を受けました.

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今回の招待講演では,Twitterによるコメント・質問をプロジェクタで表示することを試みました.普段は汲み取ることの難しい聴講者のリアルタイムな思いが可視化され,後藤先生がコメント・質問に丁寧かつユーモアを交えて答えてくださり,会場内の一体感が増したように思います.
「おもしろかった」「楽しかった」「音楽情報処理に興味をもった」「音楽情報処理を研究したくなった」などのコメントが寄せられ,未来を担う若手研究者が大いに感化された,大変有意義な講演会となりました.



【文責:四国支部幹事(徳島大学)光原弘幸】

H26年度 講演会実施報告

H26年度第1回四国支部講演会

題目 ビッグデータ時代のICTと組込みシステム
講演者 中村 祐一 氏(日本電気(株))
日時 平成26年5月28日
場所 愛媛大学工学部
聴講者 56名

H26年度四国支部招待講演会

題目 仮想環境を利用した移動ロボット円滑操作技術-実空間と仮想空間の融合を目指して-
講演者 加藤 由花 氏(東京女子大学現代教養学部 数理科学科)
日時 平成26年6月6日
場所 香川大学工学部
聴講者 30名

H26年度第2回四国支部講演会

題目 医療分野ビッグデータの可能性
講演者 荒牧 英治 氏(京都大学 学際融合教育研究推進センター)
日時 平成26年6月6日
場所 愛媛大学工学部
聴講者 48名

H26年度第3回四国支部講演会

題目 M2Mを実現する0.5V動作極低消費電力回路とシステム
講演者 篠原 尋史氏(株式会社半導体理工学研究センター)
日時 平成26年7月23日
場所 愛媛大学工学部
聴講者 34名

H26年度第4回四国支部講演会

題目 ソフトウェア要求工学,今何を研究すべきか?
講演者 古宮 誠一 氏(国立情報学研究所)
日時 平成26年11月28日
場所 香川大学工学部
聴講者 34名

H26年度第5回四国支部講演会

題目 実際の現場で活躍するソフトウェアテストエンジニア
講演者 長谷川 聡 氏 (北都システム株式会社)
日時 平成26年12月12日
場所 香川大学工学部
聴講者 55名

H26年度第6回四国支部講演会

題目 Automatic Text Classification
講演者 Mohammad Golam Sohrab 氏(豊田工業大学)
日時 平成26年12月25日
場所 徳島大学工学部
聴講者 25名

H26年度第7回四国支部講演会

題目 21世紀を担う創造的IT人材の育成 ―デジタルビジネス時代に求められる人材―
講演者 菊池純男(高度情報通信人材育成支援センター事務局長・理事,日立製作所)
日時 平成27年1月30日
場所 愛媛大学工学部
聴講者 63名